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体験工房一年(村井記) [体験ボランティア]

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3月15日(土)晴れ。わくわくサタデーミュージアムとして、今年度最後で通算3回目の「ペーパークラフト鉄剣」作りのイベントが開催された。出だしはそれほどの数でもなかったが、その後徐々に増えて1日の合計で29組のお客様が体験された。鉄剣は115文字の漢字を書く(金ペンでなぞる)作業があり、低学年の子供さんにはやや難しいと思われたが、心配はなく、かなりスムーズにすらすらでき、結構楽しんで帰られた。

本日は、年度末で終了時に、スタンプサービスとして実施していた、年間6回の来館者へ、”にわか表彰式”が開催された。対象者は、5名で、その子供たちに商品が授与され、表彰された。
当日は、少数ではあったが、まが玉つくりも隅で体験された。

さきたま史跡の博物館では、今年度から初の試みとしてボランティアが募集され、研修を経て登録され、ボランティア活動が実施された。その1年を総括する。

(1) われわれボランティアは、昨年4月に活動を開始して、この3月末でまる1年を迎えました。昨年の2月から数回の研修を受け、4月からボランティアとして活動してきました。開始に際して、全員が不安がなかったと言えば、誰一人として不安のない人はいなかったと思います。

(2) そんな中、平成19年4月からいよいよボランティアとしてデビューしました。活動の主なものは、新設された”さきたま体験工房”の運営を任されることでした。

(3) 月曜日を除いて、毎日営業される「まが玉作り」に対して、ボランティアはたったの1回の研修経験だけで、「まが玉作り」の支援をやり、徐々にではあるが、コツをつかんでやがてベテランといわれるようになりました。来場者に御満足していただけるよう、努力を惜しまなかった。

(4) 昨年4月15日は、埼玉テレビの体験工房の取材録画があった。その性かボランティアも結構緊張した。

(5) ボランティアの人たちは、若い人あり、定年後のお年寄りあり、まだまだ現役バリバリの人ありで、各人さまざまであるが、各人それぞれの自由な時間をボランティア活動に提供されているので、中には土日しか駄目な人、平日しか駄目な人、月に1日かせいぜい2日程度の人等々あります。しかし、「わくわくサタデー」や「鉄剣ガイドツアー」などのイベントのある日は、大勢が結集した。

(6) 5月は大型連休で休みが多くあり、博物館はにぎわった。「わくサタ」で火おこしに挑戦があり、移築民家の前で昔の「舞いきり式火おこし」のイベントで大いに盛り上がった。火起しは、昔の火起し器具を使って、臼と杵による摩擦熱でできた火種を作り、それをやさしく息で大きくし、鳥の巣といわれる麻などの糸状の受けに取り、空気の力で着火させ、発火を成功させる。主体は子供たちであったが、自己完結あり、親子共同ありで、それぞれに達成感に浸った。

(7) ペーパークラフトには、「鉄剣作り」と「稲荷山古墳作り」とがある。5月には、早速「鉄剣作り」が開催された。実施するに当たっては、午前中から準備を開始し、2階の講堂で、接着糊、洗濯挟み、輪ゴム、文字塗り金ペン、芯用新聞紙等を用意した。まず、午前中にボランティアだけで自習し、鉄剣作りの手順とポイントを習得し、午後に向けて参加者の来場を待った。お客様の製作には、多少の時間がかかったが、最後に出来上がった鉄剣に115文字のすべてを書き終えた時には、低学年の子供さんから大人まで、その素晴らしさに感動した。

(8) 6月には、「わくサタ」で埴輪を作った。ボランティアも埴輪を作って、体験を積み重ねた。そして、ペーパークラフト稲荷山古墳作りに挑戦した。クラフト稲荷山は午前中に準備を整え、ボランティアへの体験実習も行われ、午後の来客を待った。クラフト稲荷山は、鉄剣作りと比べて、やや地味ではあるが、結構楽しいものであった。そして、古墳の大きさを実感する”合わせわざとして、クイズが用意されていた。古墳の大きさをクラフトを使って、人間や馬の大きさと比べることにより、その大きさを比較認識する試みで、やってみるとその差に驚かされる。さきたま古墳群に存在する古墳たちの大きさが改めて、実感された。また、大きさ以外に、いろんな用途や形を学習した。

(9) 7月には、「さきたま風土記の丘教室」として、「縄文土器を作ろう」と「弥生土器を作ろう」が開催された。そして、古代の機織り(アンギン織り)で、小さい女の子達には、好評であった。ボランティアたちも午前中に学芸員から指導を受けて、小さなコースター作りを実習した。

(10) 8月には、暑さにもめげず、奥の山古墳の中庭で、歩測による「古墳を測量しよう」に挑戦した。各自歩測による予測と特殊な機械を使っての実測値との差を競うもので、子供たちや大人を含めて、実施したが、最も差の小さかった人は、何と小学生の女の子供さんでした。ゴルフ場で補足を鍛えたはずのお父さん方は、全滅でした。

(11) 今年に入って、1月12日に火起しと古代米を弥生土器を使って、炊き込み、昔の人たちの生活実感を体験する試みが実施された。火起しは、生憎の雨と風にさいなまれて、なかなか火が付きにくい状況の中、臼を乾かしたり、麻糸で作った鳥の巣をあぶったりして、火を付きやすくしてやっと、来場者全員が火起しに成功した。また、古代米は見事に炊き上げられ、極少量ではあったが、おいしさを味わった。

(12) 移築民家の老朽化に伴うかやぶき屋根の修復作業が専門職により、実施され、一般にも見学が実施された。かやぶき屋根には、かやと言う材料とそれを巧みに加工する職人により、葺き替えが可能で、今回29年ぶりにそれが実施され、見学が可能となった。新聞情報等で知った茅葺に興味のある人や近所の人たちで、にぎわった。もの造り大学の学生も来て、座学の講義と比べて、実際に目にした事実の素晴らしさに、感動しきりであった。

(13) 3月には「わくサタ」のイベントで、古代武人に変身の催しがあって、衣装や髪形を古代人に変装し、よろいやかぶとを着けて、親や兄弟で、揃って並んで写真を撮ったり、古代人になったつもりで、大いに盛り上がった。

(14) 1年のボランティア活動を振り返って、博物館が目指した年間入場者数には及ばなかったものの、さきたま体験工房は大入りで、今や、博物館の学芸員では、もはや「体験工房」を運営できない状況となった。

(15) 付け加えるとすれば、今までは、イベントに使用される道具に関しても、他の施設からの借用に頼ってきたのが現状であった。この1年で、火起し器、アンギン織り器等が整備され、対応が独自で可能となった。



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